子や孫に不動産を遺したい!エンディングノートの活用法

今、ご所有の不動産は色々な経緯でお持ちだと思います。
先祖代々受け継がれている人もいらっしゃれば、結婚等をきっかけに購入された。
等のケースが考えられます。今回は、子や孫に不動産を遺したいと思っている方に、
どういう点に注意したら良いかについて一緒に考えてみましょう。

1 不動産が存在している場所をすべて把握できていますか?
都会で所有の不動産で「自宅のみ」という方は心配もないかと思われますが、地方の不動産を所有されている方においては、「田・畑・山林」等と、そもそもどこに所有している不動産があるのかどうかわからない。そんなケースも良く散見されます。

2 隣との土地の境ははっきりしていますか?
隣との間にはブロックが積んであるから大丈夫。というのは実は甘いです。そのブロックを誰が建てたのか知っていますか?もしかしたら、お隣同士でお金を出し合って建てたのかもしれませんし、自分の土地を広くしたいためにわざとブロックをはみ出して積んでいるかもしれません。

3 不動産の名義人はどなたかご存じですか?
令和6年4月1日から相続登記が義務化になりましたが、自宅敷地内のお墓の名義が先代のままというケースは実際よく見受けられます。「固定資産税を自分がはらっているから、不動産の名義人も自分になっている。」とは実際限りません。

実際、不動産を相続した場合に、そもそも売却したいのだけれども、何から手を付けていいかわからないと、筆者が相談うけた時に困る質問の一部です。さて、どうやって縁ディングノートを使っていけばよいかひも解いてみましょう。

1のケース。
縁ディングノートに地図や現地の写真などを貼って場所を教えてあげましょう。
固定資産税納税通知書に書かれているのは土地の地番であって、土地の地番=住所表示とは違う場合もあります。同じ場合もありますが、なかなか地番で特定の場所を探すのは一般の方は難しいので、地図なり目印になるような写真あると助かります。

2のケース
まさに、死人に口なしなのがお隣との境問題。いつ誰がお金を払ったのか、記憶のあるうちに記録をお願いします。「うちのご近所さん皆さん良い方だから問題ない。」であるのは、ご近所さん皆さん元気でご存命のうちです。世代が変われば考え方も色々ですので、ご自身のお隣との境について約束ごとがあれば、必ずメモをお願いします。

3のケース
相続登記を司法書士等に依頼したからすべて終わっている。とお考えの方もいらっしゃるとは思いますが、実際、筆者が確認してみると「やるべき登記が漏れている」ことも多数散見されます。固定資産税の納税通知書には課税されている土地しか記載されていないこともありますので、市役所等で名寄帳を取得し、法務局で本当に自分の名義になっているのか心配な方は確認することをおススメします。

最後に
相続で一番揉める原因は「不動産」をどう分けるのか。そこに尽きると筆者は考えています。ケーキのように分けられれば良いのですが、世界に一つだけしかないのが不動産なので、その価値を等分に分けるというのはしょせん無理なのです。どんな経緯で取得された不動産であれ、その分け方で家族が争うことになっては悲しくないでしょうか?
世の中には不動産を使った節税スキーム等色々で回っておりますが、本当に大切なのは、

「誰に遺したいと考えているのか、家族に伝えること」

です。日本人はシャイな人種でもありますから、是非、縁ディングノートを使って、想いを伝えるきっかけにしていただければ幸いです。

 

人生をハッピーに♪ 文責 稲場晃美