法律事務所だからこそ縁ディングノートの必要性を感じる事
執筆者:竹内 みどり

1法律事務所は相続発生後の問題の予防も得意 

筆者は法律事務所に20年勤務し、現在は法律事務所内の相続コンサルタントとして活動をしております。毎回、事前に相続対策をしたことにより、ご相談者様の想いをきちんと伝えられ、「家族がスムーズに相続手続きができた事案」について実際にあった事例(お名前、家族構成等は実際と違います)を元に「縁ディングノート」の必要性をお伝えしていますが、今回は少し違う目線で「縁ディングノート」について考えていきたいと思います。 

 

2 家族構成と背景 

今回のお話は、今回は筆者の所属する法律事務所で起きた交通事故の案件をもとに、職業、家族構成等は変えてお伝えします。 

家族構成は、太郎さん(50歳)と奥様の花子さん(50歳)、長女明子さん(22歳)、次女ひろみさん(20歳)の4人家族です。太郎さんはAタクシー会社で勤務され、花子さんはお花屋さんでお勤めされています。長女、次女は地元の大学生に通っていました。とても仲の良い家族でした。 

ある日の出来事です。その日は次女ひろみさんのお誕生日でした。アルバイトを終えたひろみさんはバイト先を出たときに、母親の花子さんにラインを送りました。その返事に、「今日はひろみちゃんのお誕生日だから、ひろみちゃんが好きなミルフィーユのケーキを買っていくね。」と送られてきました。そして花子さんは、地元で有名なケーキ屋さんでミルフィーユを買い、ひろみさんが喜ぶ顔を思い浮かべ、ワクワクしながら家に向かっておりました。バスを降り、あと少しで自宅という時に、花子さんは居眠り運転をしたタクシー(Bタクシー会社)にひかれてしまい、亡くなってしまいました。 

その後、ご主人は、大変憔悴して弊所へご相談にいらっしゃいました。「私たち家族にとって、とっても嬉しいはずのひろみのお誕生日の日が、妻花子の命日になってしまいました。ひろみは自分のせいだと自分を責め、あれから立ち直れず、大学に行けなくなってしまいました。」と泣きながら仰っていました。また、お父様と同業者のタクシーにひかれてしまったので、お父様自身も仕事に行くたびに花子さんのことが思い出され、とてもつらい思いをされているとのことでした。 

3 もし縁ディングノートがあったら 

花子さんはまだ50歳。縁ディングノートはもちろん、子どもたちへの想いも書いていませんでした。50歳という年齢からしても、まだまだ生きているのが当然だと思っていたと思います。子どもたちの花嫁姿も当然見えると思っていたでしょうし、お孫さんのお世話もできると思っていたでしょう。でも、何が起こるかわからないのが人生です。事故は、突然起こります。これは誰にでも起きる可能性があることです。 

では、突然の事故にあったとして、残された人が悲しみから早く立ち直る方法があるとしたら、「想いを伝えておくこと」だと思います。 

もし、花子さんが、縁ディングノートを書いて、残されたご主人やお子さんたちに想いを残していたら、残された人たちはどんなに救われたことでしょう。私達協会の縁ディングノートは、財産の一覧表だけでなく、書いた人の想いが書かれています。それが、残された人がこれから生きていくための力になるのです。筆者自身、縁ディングノートではありませんが、父が残してくれた動画を観ることで、父の想いを感じ、前を向いて歩いてくことができました。想いを伝えることは本当に大切なことだということを実感しております。 

縁ディングノートは亡くなる前に書くのではありません。生きているからこそ、書けるのです。思い立った今、縁ディングノートを書いてみませんか。 

 

 (文責:理事 竹内みどり)