誰と書く?縁ディングノート② ~みんなと書くエンディングノート~

はじめに

前回①でひとりで書く縁ディングノートの話をしました。

今回は「みんなと書く縁ディングノート」です。

エンディングノートを本屋さんで購入したものの買って満足してしまった、どう書き進めていいかわからないと言うお声をよく聞きます。

ひとりで書くと、行き詰って進めなくなることはないでしょうか。

1,みんなのことばで広がる縁ディングノート

著者の縁ディングノートセミナーで最初に皆さんにお尋ねするのが

「好きなたべもの」です。

好きな食べものは何ですか?

セミナーに参加される方は毎日ごはんを食べているはずなのに、好きな食べものさえ出てこない方がとても多いのです。

これはなぜかと言うと、忙しい現代社会にのまれ、「好きな食べもの」という簡単な問いすら、自分に投げかけていないからだと思われます。

この質問の問いが出て来ないと、その後の問いの答えをみつけるのは難しいのです。

そんな時、セミナーの他の参加者さんの「好きな食べもの」を聞くことで、その答えから、私はどうだろうと思いをめぐらし、答えが出てくることがあります。

たとえば「白いご飯」

美味しいお米、ご飯が好きな方は多いと思います。

その白いご飯に、美味しい卵をかけて卵かけご飯が好き、その答えから白いご飯とお味噌汁が好き、発展してカレーが好き、お寿司が好きなど答えを導くことができる時があります。

また、決められた地域で開催する時は、好きな食べものの話から、「あそこのパン屋さんが美味しいわよ」とか、「どこのお店のウナギが美味しい、やっぱりウナギは関東がいい、関西がいい」など話が盛りあがり、交流が生まれ、深まるのもみんなで書く良さです。こうしてコミュニティが生まれやすいのも縁ディングノートが持てる力だと思っています。

2,みんなのことばで話から広がる縁ディングノート

常々、縁ディングノートは書きたいページから書いていいですよ。

書けないところは飛ばしていいですよ。とお伝えしています。

ところがセミナーだとそういう訳にもいきません。

著者は、セミナーでは、答えられない方が出てしまいそうな問いは極力選ばないようにしています。

そういった問いを避け、みんなで一緒に、順番通りに進めていきます。

これは著者自身が代表理事の「かおりんと書こう縁ディングノート」①に参加していた時のこと。その回は美術品の話をしていました。ひとりで書いた時には、自分には当てはまらないから要らないと飛ばした部分でした。

ところが周りの方のお話で、ルーブル美術館までモナリザを観に行きましたと聞き、思い出したのです。

自分自身、フェルメールの真珠の耳飾りの少女をわざわざオランダまで観に行ったこと、

フランダースの犬で最後に主人公が観たかったキリスト昇架とキリスト降架の絵を観にベルギーのアントワープまで行ったこと自分には好きな絵はないと飛ばしてしまった部分もみんなと一緒に各書くことで気づきをいただき、自分の好きな絵を思い出すことができました。

普段考えることがない問いは、ひとりだと気づかずスルーしがちですが、他の方のお話がきっかけとなり思い出させてくれることがあるのも、みんなで取り組む良さかと思います。

3,みんなのことばから大切なものに気がつける縁ディングノート

ある時、みんなで「好きなお酒」の話をしていました。著者はお酒が大好きなのでその中の一番は、日本酒かな、焼酎かな、テキーラかな、その中でも銘柄は何だろうと思いめぐらせていました。そんな中で、参加者のひとりの女性が「私は梅酒です」とお話くださったのです。そのお話から、自分に置き換えた時に「自分はお酒が好きだけれど、中でも一番といえば、祖母が漬けた梅酒だ」ということに気づきました。

これも前述したように、他の方のお話から気がついた例のひとつですが、その時、ふと、自分の縁ディングノートを振り返った時に気が付いたのです。特におばあちゃん子でもなかったと思っていた自分、しかし、自分の縁ディングノートに一番登場してくるのが「おばあちゃん」であること。おばあちゃんがこんなに大好きで、大切だったのだということに気づくことができたのです。

家族は当たり前に存在し、存在してくれること、してもらうこと、思ってもらえること、「当たり前」で特別に感じることが少ない身近な存在であることが多いように思います。

自分でも気づかなかった自分の大切なもの、大切な思い出、大切な人に気づかせてもらいました。

これは、自分を他人を通してみることで気づける良さかと思います。

まして、セミナーの場合、参加された方はお友達同士、家族でなどという場合もありますが、初めましての場合や顔見知り程度のこともあります。すこし離れた相手のお話は冷静に自分を分析したり俯瞰するのに向いています。これが、セミナーに参加し、みんなで縁ディングノートを書く醍醐味であると著者は思っています。

まとめ

みんなで書く良さは、仲間でも新たな気づきがありますし、縁ディングノートセミナーで初めてお会いする方とでも新たな関係や交流が生まれ、繋がりが持てる良さがあります。

そして、自分のことも相手がいるからこそ俯瞰ができるのです。

ひとりで行き詰ってしまった方、縁ディングノートを書いてみたい方は、ぜひ当協会の縁ディングノートプランナーの縁ディングノートセミナーにご参加ください。

今までうまく書けなかった、進まなかった方もきっと新たな発見があり、書いて良かったと思っていただけると思います。

楽しく、繋がり、そして、ご縁を大切にできる縁ディングノートセミナーを開催する側になりたい方はぜひ縁ディングノートプランナー養成講座を受講いただき、プランナーになっていただければと思います。

次回は著者が一番お勧めする「大切な人と書く縁ディングノート」をお伝えしたいと思います。

本年は大変お世話になりました。良いお年をお迎えください。

①かおりんと書こう縁ディングノートは縁ディングノートプランナーを取得し登録された方が受講できます。(zoomにて月3回開催)

文責 髙橋美春