Let’s縁ディングノート
ありがたいことに、今年のセミナー登壇数は70セミナーにのぼります。
セミナーは、代表理事の一橋香織先生に倣い、6回で1セミナーが完結する仕組みになっています。
ここでは、一般的なエンディングノートをエンディングノートと記載、当協会が推奨するエンディングノートを縁ディングノートと記載します。
1,縁ディングノートはどこから書いたらいいのか
一般的に市販されているエンディングノートは、財産まわりのことから書かせるノートが多いですし、保険会社などが販促品として提供しているエンディングノートも、財産や、終末医療や、介護から書かせるものが多いなと感じています。
それらは、もちろん、万一の時に必要な項目で、遺された方にとっても有益な情報となるでしょう。
ただ、ここからスタートすると、早い段階で、「もう書けない」となることが多いのです。
なぜかというと、財産のことはすぐに答えられず、色々と調べなければならないことが盛りだくさんですし、終末医療や介護のことから考えるのは、一般の方からすると荷が重いことが多く、先に進めなくなってしまいがちです。
これを高齢のお父さまやお母さまに書かせたい!!とやってこられる方もいらっしゃるのですが、自分でも書けないものを、高齢になった親御さんに書かせるのは随分酷なお願いかと思います。
「好きなところから書いていいですよ」とお話しますが、とはいえ、どこから書くのが書きやすいのでしょうか。
2,好きな食べ物さえ出てこないのに・・・
著者が最初に皆さんにお尋ねする質問は、ズバリ、好きな食べ物です。
一見すると簡単な質問にみえると思いますが、最初はこの問いかけですら、出てこないのです。
皆さんの好きな食べ物はなんですか??
即答できない方、考え込んでしまう方はその先の問いかけにも苦戦する可能性が大きいかと思います。
毎日何かしら食事をとっているはずなのに、なぜ出てこないのか。
それは「好きな食べ物は何か」と考えないで過ごしているからです。
エンディングノートではこうして、自分が考えてこなかった問いかけがたくさん出てくるため、考えるのも疲れ、書くことにも疲れてしまい挫折することが多いのです。
3,誰かと書く縁ディングノート
そこでおススメなのが、誰かと書く縁ディングノートです。
少人数制のセミナーでもよいかと思いますし、ご家族や大切な方と取り組んでもよいと思います。
なぜ誰かと書くのが良いかというと、他の方のご意見を聞いて、思い出したり、思いついたりすることがあるからです。
実際、多数講師をしている著者ですら、受講生の皆さんの回答から、気づくことがたくさんあります。
ある時、好きなお酒の話に取り組みました。その時、著者はお酒が大好きなので、逆に回答に困る問いかけです。ある受講生が「梅酒」と回答されているのを聞いて、「好きなお酒は色々あるけれど、一番好きなのは「祖母が漬けた梅酒だ」と気づかさせられました。
地域でセミナーをする時は誰かの好きな食べ物の回答から、「あのお店がおススメよ~」「私もそれが好きだと気づきました」といったお声から、受講生同士が盛り上がって仲良くなられることもあります。特に高齢の一人暮らし同士の方が、セミナーをきっかけに顔見知りになり、お友達になっていく…こうしてご縁が繋がり、またセミナー開催場所に人が集まり、地域が活性化されます。
4,大切な人と家族と一緒に書く縁ディングノートのプラスαの効果
家族と一緒に取り組むと、「え、これが好きだったじゃない!!」「お母さん、それは子どもの頃の好きなものだよ、今はこれが好きなんだ」と言った、少しのギャップは今なら埋めることも可能です。
些細なことかもしれませんが、こうした誤認の積み重ねはのちに、大きなすれ違いになり、争族に繋がります。
特に家族の場合は、こうした「知っているつもり、わかっているつもりが相手を遠ざける」
溝になってしまうのです。
現に、きょうだいで取り組まれた方は、同じ出来事でも、記憶の仕方が違うことに気づかれます。また、視点も違うわけですから、出来事は同じでも解釈が違います。そのことが溝になっていることに気づき、皆が元気な今なら、軌道修正もできる可能性があります。
5,まとめ
書くのにはコツが必要なエンディングノート。
こうして、地域の方や、大切な方と一緒に取り組むことによって、エンディングノートは「ご縁を繋ぐ」縁ディングノートになるのです。
現在、各地でセミナー開催も行っております。まずはセミナーに参加されたい、縁ディングノートの個別セミナーを受講したいという方はお気軽に髙橋美春までお問い合わせください。
また、自分が、ご縁を繋ぐ、縁ディングノートの講師、縁ディングノートプランナーになりたいという方は協会までお問い合わせください。
全国各地で、縁ディングノートが広まり、地域が活性化し、財産だけでなく思いも承継されていくことを願っています。
(文責:髙橋美春)